あかちゃんのあたまのかたちについて
ここでは最近相談されることの多い、あかちゃんの「頭のかたち」についてのお話をしていきます。
ヘルメットをつけた、あかちゃんを街中で見かけた経験はありませんかか?
このあかちゃんたちは『位置的頭蓋変形』というあたまのかたちを整えるために治療をしています。
ここではあかちゃんのあたまの成長と形についてお話をしていきます。
後述を読み江東区・東陽町周辺で、気になる場合は東陽町ファミリークリニックへご相談ください。(頭のかたちに関しての相談は現在非常に多くなっており、健診・予防接種の予約時間には、他のお子様への待機時間の影響を考慮し行っておりません。外来予約を頂き診察をさせて頂きます。)
あかちゃんの頭の形はあかちゃんがお腹の中にいるときから出生状況で、生まれたときに実はある程度すでに形が決まっています。その後重力の影響を受け、頭のかたちは変わり、個人差はありますが、頭のかたちがほぼ決まるのはおよそ2歳前後となります。
保護者の方がよく心配されている、頭の形が知的予後に影響を与えるか?に関しては現時点では影響はないとされています。
日本ではもともと『頭の形』はそれぞれ違っていても『個性の範疇』という認識でしたが、近年の報告では『重症な(←重要)』頭蓋変形は成長後において、主に頭から下の筋肉の発達や姿勢を中心に、よくない影響を及ぼす可能性が示唆されています。(←ここも重要:あくまで現時点では可能性の話です。)
『重症な』頭蓋変形をきたさないように『あたまの形』に対する出生後のアプローチ、特に斜頭(後頭部に左右差がある頭の形)に関してお伝えしていきます。
(以下のお話は、持病がないお子様に対してのお話になります。病気の種類によっては体の向きの変換に制限がかかることがあるため、主治医の先生と相談してください。)
文章が長いため現在のあかちゃんの状況にわけてお話をしていきます。
- ①出生~2か月
- ②3~5か月
- ③5~6か月
- ④7か月以降
でお話を分けます。
状況に応じた箇所に目を通してもらえればと思います。
もしあかちゃんが④以外の状況であれば、ぜひその次の番号の項はお目通しいただければと思います。
①出生~2か月頃まで ~顔の向きに気を付ける時期~
この時期のあかちゃんは1日の半分程度を寝て過ごします。
要するに頭蓋骨は1日の半分程度を重力による影響を受けています。
逆に重力が頭の形を整えてくれるとイメージを持って頂けるとよいと思います。
重要な点は寝ているときに『向き癖』をつかせないようにすることが肝要です。(出生時、すでに向き癖があるあかちゃんがいるので注意ください。)
乳幼児の身体計測の項に頭蓋骨の成長の一側面を示す『頭位』がありますが、この時期は最もその成長が最も著しく、その分頭の形に対する影響が強く現われます。
寝ている時間を半分に分けて考え、それぞれ首を左右にむける時間に割り当てると効率がよいと思います。
もし向き癖がついてしまった場合には、できるだけ逆を向かせるようにしてください。
あかちゃんは反射で、顔の向き方向と同じ側の腕を水平に伸ばし、同じ側の足はまっすぐに延ばします。(例えば左方向に顔を向かせれば、左手を水平に伸ばし、左足はまっすぐになります。)
加えて顔の向き方向の逆の手足は肘、膝を曲げた状態になります。(例えば左方向に顔を向かせれば、右肘、右膝は曲げた状態になります。)
これはフェンシングスタイルともいわれ、5~6か月頃まで続きます。
あかちゃんのあたまの向きを変えた場合、変わった場合にこの姿勢が十分とれるようにスペースをあけておくことで、あかちゃんも安心して姿勢を変えることができます。
あたまをかたちの整えるために販売されているO字型やU字型のいわゆる“ドーナッツ型枕”の使用は、少なくとも2か月を超えるまでは使用しないことを推奨します。(私は使用自体を推奨しません。)
首が前屈になることで、気道(空気の通り道)が狭くなるため窒息の危険性が高まるためです。
②3~5か月頃まで ~変形の程度の判定と治療介入の必要性の判定~
あかちゃんはこの時期になると首をささえる筋力が発達して追視(目で対象物を追う)する際に首を左右にふるようになります。
頭の形に左右差(左右の後頭部のかたちに差がある)がある場合、この追視ができるようになった時点で、追視の際の首の動きに左右差(左方向に向くとき、右方向へ向くときの首の動きのどちらかの制限)が生じてきます。
この状況である場合、または睡眠中に首の向きを自分で変えない場合はすでに変形が生じている可能性があります。
上記の存在がこの時期にあると、成長と共に徐々に睡眠中の時間が減っていくことも
相まって、重力の手助けによる頭の形変形に対してのアプローチが少なくなってくる
ため自然回復の度合いが減ってきます。
現状の『重症度の判定』『治療介入の必要性』に関して検討していくことが必要です。
医療機関、保健所で行う健康診断があります。この時期は3~4か月健診が行われる時
期にあたりますが、今現在「あたまのかたち」に関しての評価は必須項目ではないため、
「あたまのかたち」に関して指摘されなかったから、問題がないというわけではありま
せん。上述の状況があり、気にかかる場合はかかりつけ医に相談をしましょう。
③5~7か月まで ~治療開始の判断時期~
全体的な頭の形は構築時期となり、日中の活動量の増加も相まって、元にあった重症な変形が残る可能性が高い時期に差し掛かってきます。
『向き癖』への介入も、寝返りが出来るような場合は難しくなっていき、癖の介入は、あかちゃんの発達も相まって親子とも、双方にストレスがかかります。
また後述になりますが、この時期以降にヘルメットによる治療導入をした場合に、ヘルメットの装着自体が嫌で、あかちゃんが自力でそれをとるようになってきます。
医療機関によっては「頭のかたち」の重症度によりますが、この時期以前に治療導入を
行います。
この時期以前にされていた指導内容により改善が得られていない場合、またこの時期
でも、気にかかる場合はかかりつけに相談しましょう。
④7か月以降 ~自然経過に期待する時期~
この時期はハイハイ、ずりばいといった、自力で体を大きく動かすようになってくる時期にさしかかります。
人間の体は不思議なもので、起きている時間に頭が地面から離れるようになるこの時期は、同時に転倒事故であたまにダメージが起きることが多くなる時期にもさしかかるにあたり、骨も丈夫になるため、頭蓋骨の固着化が進行します。
そのためこの時期にさしかかると自宅における介入はより難しくなります。
治療の開始においてもヘルメットを自力で外せる力が徐々についてくるため、導入自体が難しくなっていきます。
また前述のとおり骨の成長に伴い、これ以前開始した治療効果には及びません。
しかし頭の形は、この先も徐々に変化して、左右差はほぼなくなることが多いということが分かっています。
(報告による差はもちろんありますが、10%には至らないと思います。)
前述しましたが、現状「頭のかたち」は個性の範疇と捉えることは、以前の考え方で私はよいと思います。
「かたち」に個性があっても、その後のあかちゃんの成長に関しての不利益は約束されたものではありません。
勿論治療ができないというわけではありませんので、現状の評価と、治療介入の是非に関しては、相談をしていただければと思います。
発育発達の状況によっては治療効果に期待ができます。
「あたまのかたち」の改善には「うつぶせ寝姿勢」がよいことがわかっていますが、発育発達段階でそのリスクが異なり一律に伝えることはしません。
気になる方は外来にてご相談ください。
ここから先は呼び飛ばしてもらって構いません。
私はいわゆる「絶壁」という頭の形です。
私がお願いする美容師さんが悩まれることはあっても、絶壁だったから人生の不利益を被ったことはないと思います。
街中を歩いていて「頭のかたち」が変に目立つ人はあまりみたことがないと思います。
それくらい頻度は低く、髪型で、どうとでもなると思います。
世の理髪師、美容師さんは非常に優秀です。
ヘルメット治療費は高額であり、軽症のあかちゃんには、その分絵本を購入していただき、読み聞かせをしたほうがよっぽどよいとお話しています。






